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<<   作成日時 : 2007/10/13 07:59   >>

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サクリファイスサクリファイス
近藤 史恵

新潮社 2007-08
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内容説明
競技中に起きた悲劇は、単なる事故のはずだった……。二転三転する「真相」と共に駆け抜ける物語の結末とは。自転車ロードレースの世界を舞台に描く、青春ミステリの逸品。

自転車ロードレースについて描かれた作品で、記憶にあるのは曽田正人さんの『シャカリキ!』です。それまで全く興味のなかった自転車の世界に魅了されました。
わたし自身はあまり運動得意じゃないので、自分がやる!というところまではいきませんでしたが、時折サイクリスト(?でいいんだっけ?)を見ると、心の中で「がんばれ!」と声をかけるくらいにはなりました。

この物語も自転車ロードレースのお話です。
そして競技を描くだけではなく、その世界に生きる人たちの葛藤やなんかの心の動き、また後半描かれる、ある「悲劇」にまつわる真相の解明なんかにも照明が当たってます。

ざっくりあらすじを書くと、
自転車競技のプロとなって数年の主人公・チカ。所属するチームには、ずっとエースとして君臨している石尾がいる。ただその石尾には、自分よりも記録が伸びそうな後輩に対しては容赦なく潰しにかかるという黒い噂があって……というお話。

石尾はあまり感情を表に出さないタイプなので、読者もどういう人かいまいちつかみきれない存在です。だから主人公チカとともに、石尾は黒なのか、それとも白なのかを一緒に悩む形になります。信じたいけれど、信じ切れない……チカの心は揺れます。それでもレースに参加し、彼なりの走りをみせることで掴みがたいチャンスを手に入れられるか……?というところに、ある「惨劇」が発生します。
だれが黒なのか。そして以前のいたましい事故は故意なのかそうではないのか。
最後まで謎をかかえたまま物語はすすんでいきます。

そして最後。最後にこの作品のタイトルでもある「サクリファイス」の意味がわかります。わたしは傍観者で、彼らの心のうちを全部理解できる、というわけではありません。だからプロとしての彼が考えて行った「あのこと」は、やっぱりやりすぎだったんではないかと少し思います。ただ、彼の犠牲の尊さはわかります。最後の最後まで読んで初めてわかるその論理。もっと早くにわかっていれば……と悔やんだのは、チカだけじゃない、わたしもでした。

ロードレースの臨場感も味わえて、かつミステリとしての醍醐味も十分ある。今年読んだ青春ミステリの中ではかなりよい作品だと思います。おすすめです。


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タイトル (本文) ブログ名/日時
「サクリファイス」近藤史恵
サクリファイス近藤 史恵 (2007/08)新潮社 この商品の詳細を見る サイクルロードレースでのアシストの仕事はチームのエースを勝たせること。若手の白石誓は、エースの石尾豪を勝たせる六人のアシストの一人に選ばれた。そして& ...続きを見る
しんちゃんの買い物帳
2007/10/13 10:02
サクリファイス 近藤史恵
カバー写真はPanoramic Images。装幀は新潮社装幀室。書き下ろし。 語り手の白石誓(チカ)は、オリンピックも狙えると言われた陸上の中距離走から自転車ロードレースに転向。チーム・オッジに所属。手に汗握るレース。誓が体& ...続きを見る
粋な提案
2007/10/14 01:51
2007年を回想してみたら
どうもこんにちは。あっという間に年末ですな。 去年はあわあわしててできなかった、今年を振り返って記事です。 優柔不断な性格ゆえにベスト10冊!とかできないので、10冊に留まらずよかった本をずらりと並べることにしました。 ...続きを見る
今日何読んだ?どうだった??
2007/12/31 11:58
「サクリファイス」近藤史恵
サクリファイス新潮社近藤 史恵(著)発売日:2007-08おすすめ度:amazon.co.jpで詳細をみる (Amazy) 高校時代陸上中距離で活躍した白石誓は大学から自転車ロードレースの世界へ入る。プロチームの有望若手として国内最大レース、ツール・ド・ジャポンのメンバーに選ばれる。与えられた役割−エース石尾のアシスト−をこなしていくがそこに石尾の悪い噂を吹き込まれ誓は戸惑いを隠せない。 ...続きを見る
乱雑な本棚
2008/01/09 12:10
サクリファイス(近藤史恵)
面白かった! さすがに「ツール・ド・フランス」って名前くらいは知ってるけど、「自転車ロードレースって競輪とは違うんだねぇ・・・。」というド素人の私。そんな私でも、競技内容がよく分かるように描いてあったし、レースの模様や様々な思惑が絡んだ選手達が織り成す人間模様に、ドキドキハラハラしながら読みました。 ...続きを見る
Bookworm
2008/01/22 14:13
サクリファイス 近藤史恵
サクリファイス ■やぎっちょ書評 あちらこちらのブログでほんと評判のいいこの本ですが、やっと、やっと読みました。 気がついたのだけど、近藤さんの書く物語の男子主人公はみんな弱キャラじゃないですか?よく言えば優しいキャラ。悪く言えば優柔不断。 今回もね。思.... ...続きを見る
"やぎっちょ"のベストブックde幸せ読書...
2008/03/04 19:57
近藤史恵【サクリファイス】
自転車ロードレースの「チーム・オッジ」に所属する白石誓は、エースの石尾豪を支えるアシストとして、地味ながらも確実に仕事をこなす。 ...続きを見る
ぱんどらの本箱
2008/05/09 15:02
『サクリファイス』/近藤史恵 ◎
全編にわたる、緊張感。絡み合うレース展開を駆け抜ける、自転車。 ロードレース・チームの中における、「エース」と「アシスト」の複雑な関係。 過去のレース中の事故の、辛辣な真相とは。そして再び起こった、死亡事故。 〜〜「勝利は、ひとりだけのものじゃないんだ」 〜〜 ぼくの勝利は、ぼくだけのものではない。〜〜 (本文より引用) ...続きを見る
蒼のほとりで書に溺れ。
2008/09/05 23:14

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コメント(14件)

内 容 ニックネーム/日時
ほんと最後まで読まなくちゃ、何があったのか、何がおこったのか、どんな思いがあったのか、それらすべてがわからない。そして深い感動と残る余韻は大きかったです。ミステリとしての、複線の配置の上手さにも、目を見張るものがありました。とにかく、ものすごくプッシュしたい作品ですね。あれ?何故ここで熱くなってるんだ^^;
しんちゃん
2007/10/13 10:10
お久しぶりです。
この作品、私も好きです。「サクリファイス」の
真の意味が明かされるラストは、やはり驚きでした。
今年のツールド北海道はわが街小樽からのスタートで、
その様子を見た直後に読んだので感慨深いものが
ありました。
ゆこりん
2007/10/13 12:54
>しんちゃん
いや、でもこの作品は熱くなりますよね。わたしも誰かと感想を語り合いたい、でもまわりの人は読んですらいない!!とすごーくもどかしく感じました。本当にいい作品でした……今でも余韻にひたってます。
まみみ
2007/10/13 13:53
>ゆこりんさん
なにが「サクリファイス(=犠牲)」だったのか……本当にラストは衝撃でした。
ツールド北海道っていうレースがあるんですね。小樽からスタートだったら、選手の姿を目にすることもあったんでしょうか?この作品を読んで久しぶりに自転車競技の楽しさを思い出しました。テレビ放映とかしてほしいです〜
まみみ
2007/10/13 13:57
アシストの選手がエースのために徹底的に身を粉にして働く役割分担で勝利をつかむ自転車ロードレースの世界、しっかり描かれていましたね。
タイトルの意味がわかる結末、犠牲の尊さに感涙でした。

トラバさせていただきました。
藍色
2007/10/14 01:50
日本ではマイナーですが、かなりおもしろいスポーツですよね、自転車ロードレース。この作品をきっかけに観戦する人が増えるといいな。と思います。ラストは本当に泣けますね〜。
まみみ
2007/10/15 17:33
こんにちは。
あの人のあれはやりすぎですが、競技にもチームにも情熱一筋、それを知ってもらえなかったのは哀しいものがありました。
タイトルの意味が重く圧し掛かってくる結末でした。
カクテキ
2008/01/09 12:09
カクテキさんこんにちは。
冷静になって読むとやっぱりやりすぎなんですが、熱く読んでる最中はこの行動こそ真!とか思わされてました。作者に100%翻弄されましたが、とっても満足できた読書でした。
タイトルがこれほどの意味を持つなんて読む前はわかりませんでしたね。いろんな意味でしてやられた作品です。
まみみ
2008/01/09 16:42
こんにちは。
スポーツ小説だと思って読んでいたら、途中からミステリ要素も入ってきて。レース展開だけじゃなく、他の事でもドキドキしながら読みました。
ラストの真相はかなり衝撃でしたね。
すずな
2008/01/22 14:16
わたしも結構油断して読んでたので、途中から背をのばして座りなおして(←気分的に)読みすすめていきました。これ構成も内容もすごく上手な本ですよね。いろんな人に薦めたいです。
まみみ
2008/01/22 20:21
遅ればせながら読みました。
最初が事故シーンから始まるので、「誰が事故るのか」がメインのミステリなんだと思って、「うわ〜、嫌な展開・・・・」と思って読んでました。実は主人公が死んでしまう話だと思ってた。
相変わらずこの作者の話はダークだなぁと思うけど、競技のことをよく知らなくても話に引き込まれる描写と謎解きは素晴らしかった。長さもちょうどいいよね。
うどんこ
2008/02/23 23:40
あ〜わたしも最初そう思った気がする。事故って誰が?って。途中までザラついた感じを覚えながら読んでたんだけど…どこで変わったんだろう?後半の謎解き部分の衝撃で吹き飛んだ??
近藤さんってそんなにダークかな〜でも言われてみるとそうかも(翻意早い)。ま、でもこれはお勧めの一冊です。そういや「キノベス」でも1位でした。
まみみ
2008/02/24 08:53
麻巳美さん、こんばんは(^^)。
複雑なレース展開、見え隠れする心情、怖ろしいほど真摯な「走り」への想い。
全てがない交ぜになって流れ込んできました。
とても魅力的な作品でしたね。
ぐいぐいと惹き込まれ、息苦しくなるほどでした。
水無月・R
2008/09/05 23:26
水無月・Rさんこんにちは^^
複雑な展開の物語で、いったいどうなるのかわからずぐいぐいとのめりこまされるように読んだ本でした。誰彼かまわず「おすすめ!」するにはちょっと重い本かもしれませんが、一読して損はないですよね。これまだ買ってないんですよね〜買わなくちゃ〜そして布教しなくては!
麻巳美(まみみ)
2008/09/26 16:37

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