内容紹介 引きこもり歴10年。人生をやり直そうと突如「18歳」と偽って女子大に通い始めた元少女漫画家の麻巳美も、いよいよ卒業間近。相変わらず不器用だけど、ひたむきに生きる麻巳美の心を誰よりも理解し、守り続けてきたのは同居人で作家の月哉さんだった。でも、最近月哉さんの様子がおかしい。実は、月哉さんは、麻巳美には言えないおおきな秘密を抱えていた。真実を知った麻巳美の選択は…。 傷つき、惑い、それでも愛することをやめられない心優しき少女たち。切なくも美しい、成熟のための物語。 「おおきくなりません」の続編です。今回は麻巳美の一人称で語られてます。 一人称小説って不思議なことに、どんなにアレな主人公であってもなんか好意的に見てしまったりしませんか。前作であんなに「ちょっと……」と思ったこの人も、割合大丈夫でした。あくまで「割合」なんで、依然服のセンスとかその生き方にはなんかなーと思うところはあるんですけどね。 逆に前回の主人公の月哉さんの印象がダウンしたかな〜〜。麻巳美から見るとこんな人なのか!という新鮮な驚きがありましたねえ。麻巳美をつねにからかい、ちいさい子扱いし、手のひらで転がし。そうされても文句言えない人なんですけど、薄〜くムカついた次第です。 全然内容に触れてませんね。ええと、今回は麻巳美の過去を辿り、かつこれからの麻巳美のすすむ道を示した、そんなお話です。やはり「おおきくなる」には「過去を見直す」のは大切な作業なんでしょうね。 過去には漫画を描いていて、今度は小説にとりくむ。30代で大学に入学するところなど、いろんな類似点が作者の白倉さんと麻巳美の間にはあるんですが、そのあたりについて「あとがき」で語られてます。もちろんこの小説はフィクションなので、全部が白倉さんとかぶるものではないと思いますが…もしリアルを描いていたとしたらそれはどの部分なんだろう?と妄想するのも楽しいかも。 あと上記の内容説明は最終話のものなので、その前のお話は前作と同様、ほのぼのしたミステリ(?)です。章ごとにおいしそうなスイーツやごはんが出てくるのもいいですね(ってこればっか言ってるな…)。 年は1年ごとにとるけれど、一体全体‘大人’ってやつにはなってるの? そもそも大人になるって、おおきくなるってどういうことなの?? ってことに、一瞬でも悩んだことがある人なら、楽しめると思います。もちろん「大人になるってどういうことかって?ふっ」という猛者であっても、青臭く懐かしい何かを思い出せる作品かと。 やっぱりおおきくなりません (徳間デュアル文庫 し 2-2)
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