内容説明 美しい季節、明るい光の降り注ぐ池のほとりで、3人の少年少女は出会った……。1952年夏、六甲の避暑地で、少年たちはかけがえのない時間を過ごすが…。繊細な技巧が駆使された、瑞々しい情感にあふれたミステリ。 多島さん、初読み。 たしか図書館の新刊案内で、「六甲」と「青春ミステリ」のフレーズに惹かれて借りてみたような。 前評判とかほとんど聞かずに読んだんですけど、おもしろかったです! 青春ミステリ+文芸作品ってな感じですかね〜。途中までミステリっぽさはあまりないというか… 3人の少年少女たちの、14歳というかけがえのない時間だとか、淡い恋だとか、避けて通れない三角関係だとかに夢中で、ああこれってミステリだったんだ…って気づいたのは話も半ばをすぎてからでした。 それまでもちょっと不穏な雰囲気はあるんですけれどね。 この3人の少年少女たちの章の間に、突如、といっていいほど唐突に差し込まれるまた別のお話があって、それとこの本篇がどう関わるのかは最後のほうまでまるでわからないので…いやわかるひとはわかるのかもですが、わたしはわからなかったんですよ。 物語後半でひとつ、事件が起こります。 それは暗く悲しい影を落とす…かと思いきや3人にとってはそうでもなく。このへんもなんかよかったです。 その事件よりも、ひとりがもう東京に帰らなければならないほうが切なく辛いっていう感じが。 しかしそこにのほほんとしてると、事件の真相が読者にしかわからないかたちで急に示されて……そこからはもう、ドミノがきれいに倒れていくくらいの爽快さで、「あああれはだから!」とか「そうかあの人は!」とか、すべての?が氷解していきます。ここは本当に気持ちがいいです。 いやーなんかいいものを読みました。一粒で二度おいしい、みたいな。 ミステリと、昭和の匂いただよふ少年少女の物語が好物だというひとにはぜひおすすめしたい一品です。 そうでない人もおもしろいのでー。読むの迷ってるならばどうぞ。たぶん後悔はしないかと。 |
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