「HEARTBEAT」 小路幸也
内容説明
10年前の約束を果たすためNYから帰国した青年と、母を失った名家の少年。ふたりが出会うとき浮かび上がる、意外な構図と清冽な余韻。「暗闇」の中から帰還した青年の、約束と再会の物語。
「Can't you hear my heartbeat?」
小路さん(最初「こみちさん」だと思ってました。すみません)初読み。
なんだか本読み仲間内でとーっても評価が高い+シリーズとして高い評価を
している創元社ミステリ・フロンティアの一作品だったので,それなりに
期待して読んでたんですけれど。裏切られませんでした。ラストあたりも
予想もしない展開でびっくりでしたし。
いやー切ない話でした。せつなー!!と叫びたくなるような。
詳しく書いてしまうと最後のオチとかわかってしまうかもしれないんで
アレなんですが…うう。いろんな人のいろんな切なさが。
ひとつでっかい切なさがあるよりも,小さい切なさの集合体のほうに弱いという
ことが判明しました。本を読むごとに自覚していく自分の弱点。
ミステリーとしてはやや簡単な感じです。どっちかというと人間関係だとか
その他の部分に重点の置かれた作品。
上記内容説明の青年と名家の少年に,因果関係は全くないんですけど
周りの人間模様は酷似してるのもね,なんだかきましたよ。
…うまく説明できませんが。
あえて難点を言わせてもらうなら,もっと最後切なさに徹しきっても
よかったかな?というところと。
あといろんなドラマを盛り込みすぎてるかな~おもしろいけど。
それでよくわからないまんま終わってるところもあり。
ま,説明できないことや,しないことって現実世界にも多いしね。
ゲームのシナリオを書かれていたというだけあって,エンターテイメントを
意識した作品作りをされているなと思いました。
他の作品も読んでみようと思います!