「スカイラー通り19番地」 E.L.カニグズバーグ

スカイラー通り19番地
E.L.カニグズバーグ作 / 金原 瑞人訳 / 小島希里訳
岩波書店 (2004.11)
通常24時間以内に発送します。


内容説明
両親のいない夏休み、12歳のマーガレットは長期キャンプに参加したが孤立する。彼女を救いだしてくれたのは大叔父さんだった。大好きな大叔父さん兄弟が苦境に立たされているのを知った少女は、大人社会に敢然と立ちむかう。


…いやあもう。堪能いたしました。
毎回毎回,ほんとうにすごいですよ。本当に70歳超えてらっしゃるんですか
カニグズバーグさん。
一人の作家を集中して読んだとしても,どれもこれもいいなぁと思うことは
ほとんどなかったのです。この作家に会うまでは。
処女作「クローディアの秘密」にはじまって,その予想もしないストーリー展開と
魅力的な登場人物の虜です。

最新作,買っておいてなかなか読めなかったんですがおもしろかった~。

カニグズバーグの作品に出てくる少年少女は,「個性的」な子が多いです。
そして何か気に入らないこと,譲りたくないことに対しては徹底的に戦う。
納得するまで。
その戦い方も,暴力に訴えたり,涙で勝つ!てんじゃないんですよ。
ちゃんと考えて,仲間を探して,計画を立てて,実行する。
それがまたかっこいいんだなー。
へこむこともあるし,いらいらして周りに八つ当たりすることもあるけど
自分でなんとかしよう,としてるところがすごい。
自分が‘子供’であることにいらいらもしてるから,どうにもならないときは
信頼できる大人に事情を説明して,協力をあおぐ。
頼るわけじゃなくて。これってなかなかできないと思う。

大叔父さんの大切なものを守るくだりは,本当にはらはらして読みました。
そして予想外の伏線にもうなりました。そっか,あれはここで生きるのか!

大団円ってわけじゃなくて,どっかしら哀しいエピソードもあったり。
いつかこんな話が書けるようになりたいものだと,つねづね思ってます。

たぶん毎回やたらハマってしまうのは,共感できるところが多いからだろうな。
あたしも「わたしたちは~」とか「我々は~」って話す人嫌い。
お前一人しかいないだろ!だれだ‘たち’って?まさかあたしを含んでないよな!?
みたいな凶暴な気持ちになるんで。

でもその苛立ちも,最後のあたりできっぱりと解消してくれてるし。
さすがだー。

おお,無条件ほめほめものになってしまいました。ま,これは本当におすすめ。
これだけじゃなくて,カニグズバーグさんのほかの作品もゼヒ。
わたしも再読しようと思います。

スカイラー通り19番地

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    Excerpt:  ふっと光を閉ざした雲を、あの頃のわたしはひどく憎んでいた。怒りを向けるべき先を知らず、何もかもが信じられず、頑なに僅かな正しさを選んだつもりでいた。正しさの定義すら知らずに。子どもの世界も大人の世界.. Weblog: まっしろな気持ち racked: 2007-06-09 20:53