「そこへ届くのは僕たちの声」 小路幸也

そこへ届くのは僕たちの声
小路 幸也著
新潮社 (2004.11)
通常2-3日以内に発送します。


内容説明
仲間の声に導かれて僕らは強くなる-。植物人間を覚醒させる人の噂と、奇妙な誘拐事件を結ぶ「ハヤブサ」というキーワード…。「見えざる力」を駆使して試練を乗り越える子供達の友情と勇気を描くファンタジック・ミステリー。

最近ちょっと読む気力が落ちてますね~っていうか,本厚すぎ。
言いたいことがたくさんあるのはわかるけど,もっと抑え目に一つ!
という作品が多い中,小路さんの作品はさくさく読めてよいです。
テンポがいいのかな。読み手に優しい設計になってるような気がする。

今回も中学生以下の少年少女が主人公でした。
震災で家が全壊したにもかかわらず,なぜか一日後,全く無傷の状態で
家に立っていたかほり。そのときの記憶はすっぽり抜けているけれど,
時々聞こえる声がある。
それを「空耳」ならぬ「そらこえ」と名づけて,ひっそりと自分の胸にしまって
いたところ,その声の主ではないかという人を見つけて…とか,そんな
お話。いや本当はもっといろいろ絡んでるんですよ。
最初のあたり,みんながてんでばらばらに話してるんでちょっと何がなんだか
わかりませんでした。

あたしも割とよく空耳聞こえるほうでした。
名前を呼ばれてみたり,なにか小さい声で言ってるのが聞こえたり。
あと幻視?もよくやってたな。ふっと視線をずらすと人の姿が見えたけど
ほんとはそこには電信柱しかありませんでした!みたいな。
昔は空想力がたくましかったって母親が言ってました。本当にあったこと
みたいに話してることがどうしてもありえないことだったようで。
…全然記憶にないんですけど。
……そして空想は収まってるのかもしれませんが,想像や妄想は
健全に育ってるようなんですけど!!

この作品の子達の仲間だったのかな~とか思ってるあたりが
もうなんつーか,如実に物語ってますよな。何かを。

ラストのあたりは切なかったです。
ちょっと「グスコーブドリの伝記」思い出しちゃった。あれ泣いたな…

きっと「いのり」とか「ねがい」っていうのは,ずっと続けていけば
いつかは伝わると思うので。諦めないで声を届け続けようね。
彼が戻ってくるように。


何作か読んでみて思ったのは,小路さんの作品て第六感や聴覚に
まつわるお話が多いような…
五感の中でも聴覚って一番,‘むきだし’ですよね。
目は瞼閉じれば見えないし,口の中に入れない限り味覚もないし,
全身防護しちゃえば触覚も感じられないし,鼻はよく風邪でつまったりするし。
耳栓等を「あえて」しない限りは,望まなくてもどんどん聞こえてしまう
そんな器官。

そんなだからこそ,小さな声は聞き逃しがちだったりするわけで。
ときどき静かにじっと耳をすませる時間を持ってみよう。
何か聴こえるかもしれない。あたしにしか聴こえないものが。

そこへ届くのは僕たちの声

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのトラックバック

  • 「そこへ届くのは僕たちの声」小路幸也

    Excerpt: 「そこへ届くのは僕たちの声」小路幸也(2004)☆☆☆☆★ ※[913]、国内、現代、小説、SF、遠話、特殊能力、少年少女 不覚にも、電車の中で涙をこぼしてしまった。四十男が、電車で読書し.. Weblog: 図書館で本を借りよう!~小説・物語~ racked: 2006-02-01 19:13
  • そこへ届くのは僕たちの声 小路幸也 ◆

    Excerpt: そこへ届くのは僕たちの声小路 幸也新潮社 2004-11-25by G-Tools 元刑事の八木は、植物状態の人間を目覚めさせることができる能力を持つ者がいる、という噂を追っています。親友同士の新.. Weblog: IN MY BOOK by ゆうき racked: 2006-02-01 23:16
  • そこへ届くのは僕たちの声 [小路幸也]

    Excerpt: そこへ届くのは僕たちの声小路 幸也新潮社 2004-11-25 植物人間を覚醒させる能力をもつ人がいるという噂と、各地で起きる奇妙な誘拐事件。一見無関係に見えた二つの出来事を結んだのは「ハヤブサ」.. Weblog: + ChiekoaLibrary + racked: 2006-02-02 14:03
  • 「そこへ届くのは僕たちの声」小路幸也

    Excerpt: そこへ届くのは僕たちの声小路 幸也 (2004/11/25)新潮社 この商品の詳細を見る 植物状態になった患者に突然意識を取り戻させたり、あるいは患者さんからのメッセージを伝える者がいるという噂。.. Weblog: しんちゃんの買い物帳 racked: 2007-11-17 16:28
  • 小路幸也「そこへ届くのは僕たちの声」

    Excerpt: 小路幸也著 「そこへ届くのは僕たちの声」を読む。 このフレーズにシビれた。  そこに、僕たちの声が届く。いつか。 [巷の評判] のぽねこミステリ館では, 「そう、涙もろい私はこの作品でも何度も泣いた.. Weblog: ご本といえばblog racked: 2010-04-04 18:20