「僕らの事情。」 ディヴィッド・ヒル

僕らの事情。
僕らの事情。
posted with 簡単リンクくん at 2006. 2.27
デイヴィッド・ヒル著 / 田中 亜希子訳
求竜堂 (2005.9)
通常2-3日以内に発送します。


内容説明
15歳の少年ネイサンが語る、親友サイモンとの日々。筋ジストロフィーで車椅子生活を送るサイモンはクラスの人気者。しかしその病気は死にいたる病。次第に衰えていく親友に、戸惑うネイサン…。ニュージーランド発青春小説。


海外の文学が苦手です。好んで読まない理由…を考えると
‘気が利いたジョーク’が理解不能だったからってのが大きいか?
あんなん内輪受けじゃない?そりゃ文化の差もあるでしょうよ。
あたしが多言語に造詣が深くないってのも大きな理由なんでしょうが…
んでも作者が「ここは笑わせてやろう!」と意図してるんだとしたら
思いっきり意訳になろうが,その国の人が笑えるネタを書いたほうが
いいんじゃないかと思います。個人的に。

そんなあたしも大変楽しめたのがこの作品。
マジ笑えましたよ。翻訳者の方のセンスと合致してたのか?!
いや,児童文学はわりかしいけるわそういや。海外のでも。
…とすれば大人の海外作品は文化&ジェネレーションのダブルギャップが
問題ではないですかっ!?おおお。新たな発見(←こぶしを震わせながら)。


上記内容説明を読んで「これで笑うってアンタ……」と思われる人が
少なからずいるかと思います。
いやでもね,このお話いいんですよ。重いテーマなのに語り口が軽妙で
読んでてしんどくならないというか。

筋ジストロフィーを患っているサイモンは本当にかっこいいです。
個性的だし,強いし,おもしろい。
その親友の語り手であるネイサンは,サイモンと比べると地味ですが
繰り出されるツッコミの鋭さたるやもう。
特に妹に対する言葉の数々がすごかったですねぇ…全部は口に
してなかったようですが。横で聞いてたらきっと笑っちゃうな。
ひどいこと言ってるけど。

周りをとりまくキャラもそれぞれ強烈でいいです。
友達の1人にジェイソンてのがいるんですが,この子と金城一紀さん
描かれるゾンビーズの山下?だっけ。不幸の申し子は。あの子がかぶるな~。
どっちが巻きこまれ度高いんだろう。一度並べて計測したいもんです。
被害はなはだしいだろうけど(特に本人たち)。

15歳の少年にとって,悩みはいろいろあるもんですが,
サイモンやネイサンみたいな悩みってのは…そんな多くはないんでは。
死に直面しているサイモンはもちろん,ネイサンもね……
自分のずるいところとか醜いところとも否応無しに向き合わなきゃいけない
状況はキツいと思う。
んでもそれがあるからこそ,彼らはすごく魅力的なのかもしんない。
…簡単に言うことじゃないけど。

ラストあたり,サイモンが一番最後にネイサンに伝えたセリフが印象的でした。
ネイサンも自分が「まちがった」ことにそれで気づくし。
言いにくいことだけど,だからこそ。親友にはちゃんと言う。
そういう真っ当なことができるサイモンは本当にかっこいいと思う。

あたしの周りには,こういう病気の子はいませんでした。
友達になることもなかった。…とりあえず今のところ。
もし友達になったとして,あたしはこういうタフな友情をはぐくめるだろうか?

何があろうと人生は続いていく。
どんなに悲しいことがあっても,生きることはすばらしい。

うん,ほんっとーに。すぐ忘れちゃうんだけどね。


また手元に置いて,時々読み返したくなる本に出あえました。
紹介してくださった数名の友達に感謝!!

僕らの事情。

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