「二人乗り」 平田俊子

二人乗り
二人乗り
posted with 簡単リンクくん at 2006. 4.15
平田 俊子著
講談社 (2005.7)
通常24時間以内に発送します。


内容説明
嵐子さんの一日は午後2時に目覚まし時計を止めることからスタートする。目覚ましが鳴ったからといってすぐに起き出す嵐子さんではない。嵐子、不治子、そして道彦。絡み合い、絶妙に輪舞する、それぞれの想いと因果の3編。

以前紹介した「日々の泡」を評価した人におススメとのことで
読んでみましたが,全然味わい違います。
相変わらずamazonはよくわからんな~。それでも結構おもしろかったので
よし,かな。

「嵐子さんの岩」,「二人乗り」,「エジソンの灯台」の3編が収録されてて
それぞれの主人公が嵐子さん,不治子さん,道彦さん。
この3人の関係性は,嵐子さんと不治子さんが実の姉妹。道彦さんが
不治子さんの夫になります。
この三人の愛憎劇ではなく。嵐子さんと道彦さんがどうこういう話はないです。
それでも三者三様の愛憎劇…ではあるのかな。

愛憎にとどまらず,不安定な状態から一歩脱出するような,そんな余韻
が三話ともにあるので,それが救いでした。

軽く内容紹介すると

「嵐子さんの岩」……不倫を機に離婚したものの,その不倫相手からの
連絡も途絶えた嵐子さんの物語。ときおり東京に出張してくる義弟の道彦
さんの世話をしつつ,過去の自分を振り返る。

「二人乗り」……夫も娘もそれぞれ別の場所に行ってしまった,そんな不治子
さんの家に転がり込んできたワケ有りそうな女性。二人で自転車に乗りつつ
いろんな場所に行ったり話したり。ゆっくり自分を取り戻す不治子さんと,その
女性。

「エジソンの灯台」……浮気相手の家に転がり込んだ道彦。その相手の父親
との気詰まりな関係にも,無職でふらついてる自分にも不満はつのる…が,
何もできない。そんな彼の心を動かしたのは,一冊の灯台に関する本だった。

というようなお話。一番好きだったのは表題作「二人乗り」かな。
三話目の道彦さんはもうね…「アンタ本当にダメだな!」と面と向かって
言ってやりたいような憤りも感じつつ,うーむと考えてしまうところも。

作者の平田さんの言葉がちょっとおもしろくてよかったです。自動販売機が
お札を受け入れないときの表現が「自販機はいやなものを食べた赤ん坊
みたいに吐き出す」だったり。確かに似てるわ。とちょっと笑いました。

二人乗り

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