「針がとぶ」 吉田篤弘
内容説明
パリッと月がくだけた夜、あたたかい記憶と物語の扉が開く-。クラフト・エヴィング商会の物語作者が紡ぐ、月と追憶と旅をめぐる七つのストーリー。
まだ2作しか吉田氏の作品は読んでないんですが,なにやらこう
映像で見たくなる,そんな作品です。
それもがちゃがちゃしたドラマじゃなくて,しずーかなドラマ。もしくは
単館上映系の映画。いや,でも難しいかな…この雰囲気出すのは。
7つのストーリーが入ってるんですが,全部ばらばらな話かと思いきや
登場人物が一緒だとあとで気づくという,そんな感じ。
一話目「針がとぶ」のおばさんの日記だけで五話目の「少しだけ海の
見えるところ」が構成されてたり。三話目の登場人物と一話目の登場
人物が実は友人だったり。
こういうリンクの仕方をする小説はちょっと珍しくて新鮮でした。
個人的には四話目の「パスパルトゥ」が好きでした。
ボロ家で風呂場の屋根が壊れてて,穴開いた部分にはビニールが
貼ってあって,そこから月が見えるっていいよなあ。
冬寒いだろうがよ!とかそういうつっこみは置いておいて,天窓の
ある風呂ってよいな。
金持ちになったら露天風呂か天窓のある風呂をゼヒとも実現させたいものです。
話が上手とか文章が上手とか,そういうのを超えて,イメージづくりが
とびぬけて上手な作家さんだなと思います。
たくさん著作でてるようなんで,少しずつじっくり読んでいきたいです。
