「カタブツ」 沢村凛

カタブツ
カタブツ
posted with 簡単リンクくん at 2006. 5.24
沢村 凛著
講談社 (2004.7)
通常2-3日以内に発送します。


内容説明
気まじめに生きる男女ゆえの殺人、不倫、自殺…。世界に例のない「地味でまじめな人たち」にスポットライトを当てた短編集。誠実度100%人間たちのミステリー。


ネットの本読みお友達であるchiekoaさんが絶賛されていたので,いても
たってもいられず借りてきました。で,読了。
しょっぱなから揚げ足とってすみませんが,上記内容説明に誤字発見。
気まじめ,じゃなくて生真面目でしょう。

ま,その地味で真面目な人たちが主人公です。
米澤穂信さんの小市民シリーズは,地味で真面目を目指す少年少女の話
ですが,この作品は本当に元から小市民な人たちのお話。

出てくる人たちが本当に‘いい人’たちで,それゆえに巻き込まれる(もしくは
自発的に行う)事件の数々。
あたし自身の立ち位置も基本的には彼らと近いので,なにやら非常に共感&
リアリティを感じながら読みました。
全部が全部ハッピーで終わらないのもリアルでしたね。
そう,いい人が全部いい目にあってめでたしめでたし…な世界じゃないもん。
逆にいい人だからこそ,泣きっ面に蜂なものにぶち当たることも多いわけで。

6篇にランダムに,ハッピーエンドとそうでないものが織り込まれてるので
最後まで緊張感を持って読むことができました。

一番印象に残ったのは最後の作品かな…これ,たぶん現実の事件が題材に
なってるかと。心理学の授業でもやったキティ・ジェノウィーズ事件(名前がちょ
っと曖昧ですが…)じゃないかな。
あれは集団的無関心っつうか,たくさんの人が目撃した,女性が暴漢に襲われ
刺殺される(しかもすぐ助ければ死なずにすんだ)事件だったのに,目撃者がい
ればいるだけ責任が分散される論理が働いて,結局誰も行動に出なかったとい
う悲惨な事件でありました。
ちょーっとニュアンス違うかもしれないけれど,これがモチーフかな?
もし「それじゃなくて,この事件では?」って情報あったら教えてください。

いい人だったからと言って,正しいことをいつもしているわけではない。
でもいい人だからこそ,その時ちゃんと正しく行動できなかった自分を責めたり
するんだよね。いい人って損な性格だなあ。


もの哀しいような話やちょっと怖い話,あたたかい話などいろいろと楽しめます。


沢村さんの作品は初読みなんですが,こういう世界観はいいですね。
ちょっと他の作品も追いかけてみようと思います。



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