「自立」 赤木かん子編

自立
自立
posted with 簡単リンクくん at 2006. 6.18
アガサ・クリスティー〔ほか〕著
ポプラ社 (2002.4)
通常1-3週間以内に発送します。


内容説明
おもしろくて読みやすく、そして深い中・短編に解説をつけ、若い人たちむけに編んだ短編集シリーズ。11では工清定の「加賀の千代」など、自分を自分でなくさせて封じ込めてしまうものと戦う女性を描く7編を収める。

こわいもの知らずの少女 アン・ローレンス

前に紹介した「幽霊の恋人たち」の一篇です。賢くて自立心に富んでて,
ステキな女の子のお話。持ち前の機転と冷静さと真面目さと誠実さで
欲しいものを自分で手に入れてる。この子はまーじでかっこいいです。
最後のオチもいい。

あの女はろくでなし アンデルセン

アンデルセンってこんな話も書くんだな~とちょっとびっくりでした。
出てくるお母さんが…なんかもう…本当にいい人で,いい女で。
ろくでなしとか言ってんじゃねえよ!と。言ってやりたいですな。ろくでなしと
思われてるor自分がいつの間にか思っている人に対する認識は正しいのか?
とちょっと反省してみたくなったりも。うむ,深い話だ。

ガールフレンド モリス・ハーシュマン

この短編集の中で1番,なんだか心に残ってしまう話。ものすごく上手い。
ある二人の男が,一人の少女のインタビューテープを聞いている設定で
物語はすすむんですが……最後の衝撃ときたらもう。
この少女の気持ちをわかんない大人が結構いるって赤木さんは言うけど
少なくともあたしはいつまでもそれを理解していたいなと思います。

虫めづる姫君 坂田 靖子

あの超・超有名作「風の谷のナウシカ」はこの物語から発想を得てるそう
ですね。その作品を坂田先生がゆるーい絵の漫画にしてくれてます。
これおもしろい。ほんとにおもしろい。この姫君のかっこよさもいいし,周り
の脇役もみんな笑えるし。最後にも笑いました。坂田さんの作品はあまり
読んだことないんですが,ほかにも読んでみたいです。

加賀の千代 工 清定

もーのすごい短編なんですが,うまい。
加賀の千代がかっこいいなあ。そして千代がかっこいいのは,周りの男が
ダメダメだから余計になのかもしれん。
怒りや哀しみってのは直で出さず,冷静に示すとよいのですね。難しいけど
あたしもそのうちできるようになりたいものです。

サロメの乳母の話 塩野 七生

実は塩野さんの作品は初読み。常々「なんでそのテーマで書いてて,こんな
に読者がいるんだろう?」と不思議に思ってたんですが,これ読んで納得。
そりゃあこれだけおもしろくて魅力あったら,みんな読むよね。
この話の元々…というか普通に伝わっている説を知らないで読んだんですが
きっと元ネタ知ってたほうが楽しめるんだろうな。

金持ちの夫人の事件 アガサ・クリスティー

そしてクリスティーがトリです。ミステリーの女王がなぜこのシリーズのしかも
「自立」で?と思ったんですが,なかなかどうしてしっかりこのアンソロジーに
ハマった作品でした。
お金はあるけど,なんだかむなしい。昔がむしゃらに働いてたころに感じてた
きらきらしたものを失ってしまった。そんな金持ちの夫人の気持ちに効く特効薬
それは…というお話。読んでる最中少し心がざわざわしました。

テーマがテーマだからか,とにかく主人公がみなステキです。
ほんっとに上質のアンソロジーだなあ。なぜ人気がないのか不思議だわ。
気になる作品だけでもいいんで,ぜひ読んでもらいたいシリーズです。

自立

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