「水の繭」 大島真寿美

水の繭
水の繭
posted with 簡単リンクくん at 2006.10. 8
大島 真寿美〔著〕
角川書店 (2005.12)
通常2-3日以内に発送します。


内容説明
心にぽっかり穴を抱えたとうこのもとに、ある日ひょっこり転がりこんできた従妹の瑠璃。個性溢れる人たちとのめぐりあいで、次第にかじかんだ気持ちがほころんでいく、少女とひと夏の物語。


大島さんの作品は全部読んだ!と豪語してましたが、間違ってました。
まだあと1~2作読んでないようです。てへ。(←笑ってごまかす)

今回も‘ぐったり系’主人公でした。ただこの主人公がぐったりする理由は、前に読んだ「ほどけるとける」よりもわかる。ずっと不眠症で過労だった父親が、睡眠薬の飲みすぎで死亡。
それを助けられたかもしれないのに、できなかったという後悔やら、それまで自分で気づかないようにしていたいろんなことの疲れに苛まれて、一年あまり投げやりな生活を送っていた。
そんなとうこの元に、昔から家出をしてはとうこの家に転がり込んできていた瑠璃がやってきて、とまっていた時間が動きだす…とそんなお話。

そのほか、二人のひみつ基地だった廃屋にカフェをつくったオーナー夫妻や、とうこのおばあちゃん、そして小さい頃家を出て行ってしまったとうこの母親と、双子の兄の陸。
そんな人々との交流を通じて、ゆっくりとでも確実に、うずくまっていた状態から立ち上がれるようになるとうこ。

自分も双子なので、そしてお母さん子でもあるので、母親と自分の片割れが急に出て行ってしまったあとのとうこの空虚感のようなものがリアルに想像できて痛かったです。
あまり考えないように、そしていっそ忘れるように努力したとうこの気持ちがわかる。きっとそうしなくちゃ、つらくて自分を保っていられなかっただろうと思うから。
その痛みまでをちゃんと受け入れられるには、もう少し時間がかかるかもしれない。
でもそれは決してありえない未来ではない。
想像してる以上に選択肢ってのは存在すると言った遊子さんはすばらしいなと思いました。

明るい気持ちになれる終わり方でよかったです。よいお話でした。

水の繭

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