「僕僕先生」 仁木英之

僕僕先生
僕僕先生
posted with 簡単リンクくん at 2007. 2.18
仁木 英之著
新潮社 (2006.11)
通常24時間以内に発送します。


内容説明
退屈している暇はない! 不老不死にも飽きた辛辣な美少女仙人“僕僕”と、まだ生きる意味を知らない弱気なニート青年“王弁”が、5色の雲と駿馬を走らせ、天地陰陽を駆け抜ける!


予約したもののなかなか手元に届かず、やっと読む事ができてうれしいです。
ファンタジーノベル大賞とは相性がいいんですが、これもよかった!人気があるのも納得のできです。

裕福な家に生まれ育ち、あくせく働かずとも生きていけることに気づいた青年が、じゃあその環境を享受しちゃえばいいじゃん。とぼーっと生活を送ってるところから話は始まるわけですが。いいよなそんな身分。高等遊民っていうんだっけか。
わたしは別に働かなくて生きていけるならそれでいいんじゃないかというスタンスなんで、この「学ばず、働かず、娶らず」の彼も認めますが、そうじゃない人もそりゃ多いわけで。
父親にやいやい言われてた彼が、とあるきっかけから仙人の弟子になることになり。それまでのゆる~い生活を捨てて、僕僕先生と世界中を旅してまわるなかで成長していく…話なわけですが。この話のうまいところは、主人公も読者もはっきりそれとわからないうちに、主人公が成長していくところですか。
僕僕先生は請われない限り、自分からは何も教えない。勉強嫌いの主人公は、当然何も言わないので日々修行をしてるってわけじゃないんですよね。

何気なーく最後まで読んで、最初に戻って読み直して改めて主人公の成長ぶりに驚かされました。
人を動かすのは、その人自身の想いの力に負うところが大きいんだろうな。遠い所に行きたいという想い、誰かと一緒にいたいという想い。それは強く望めば望むほど、他人の心や行動にも影響を及ぼしておのずと夢に近づいていく。

成長物語を主軸におきつつ、ほかにもその世界の背景であるとか政治情勢、経済状況などの確固とした物語世界が構築されていて読み応えがあります。本当は中国の歴史をもっと知ってたほうが楽しめたんだろうなあ。あと地理もか。忘れきってる自分の脳みそが憎い……。
僕僕先生とその弟子である主人公の微妙~な関係もよかったです。師であり憧れの人であり触れてみたい人であり……。そのへんの焦れ焦れ感も絶妙でした。


デビュー作とは思えぬクオリティ……今後が期待できる作家さんにまた会えました^^
この作品、マンガ化してもおもしろいと思う。誰の絵柄だったら似合うかな~~~


僕僕先生

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのトラックバック

  • 「僕僕先生」仁木英之

    Excerpt: 僕僕先生 仁木 英之 時代は唐代。勉強もせず、仕事もせず、日々ダラダラと過ごしていた王弁。ある日父から黄土山に住むと言われる仙人に供物を持って行くようにいい使う。迷ったあげく出合った仙人は.. Weblog: ナナメモ racked: 2007-02-24 15:10
  • 「僕僕先生」仁木英之

    Excerpt: 素朴なほんわかした感じの三木謙治さんの装画や挿絵が可愛い。 この物語もまた、この装画のようなのんびりゆったりとしたゆるい雰囲気の中で進みます。 神仙と人間の世界とが、まだなんとか繋がっていた頃の.. Weblog: 宙の本棚 racked: 2007-02-24 21:48
  • 僕僕先生 [仁木英之]

    Excerpt: 僕僕先生仁木 英之 新潮社 2006-11-21 時は唐代。若き王弁は父の財産に寄りかかり、学ばず、働かず、娶らず、ひたすら安逸を貪っていた。そんなある日、父の命で黄土山へと出かけた王弁は、そこで.. Weblog: + ChiekoaLibrary + racked: 2007-02-27 17:39
  • 「僕僕先生」仁木英之

    Excerpt: 僕僕先生 日本ファンタジーノベル大賞受賞作を読もう!企画第8弾です。今回もやっぱりおもしろかったです。ファンタジーの世界って幅広いなぁと受賞作を読むたびに思うのですが、これはファンタジーらしいフ.. Weblog: 本のある生活 racked: 2007-03-07 12:58
  • 2007年を回想してみたら

    Excerpt: どうもこんにちは。あっという間に年末ですな。 去年はあわあわしててできなかった、今年を振り返って記事です。 優柔不断な性格ゆえにベスト10冊!とかできないので、10冊に留まらずよかった本をずらりと.. Weblog: 今日何読んだ?どうだった?? racked: 2007-12-31 11:58