「このベッドのうえ」 野中柊

このベッドのうえ
野中 柊著
集英社 (2007.2)
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内容説明
甘くて苦く、晴れやかでいて後ろめたい、嬉しいようで怖くもある…。恋がもたらす恍惚と危うさをつぶさに描いた、生命感あふれる恋愛小説短編集。表題作ほか、季節を巡る珠玉の7編を収録。『小説すばる』掲載。


うん。いままでに読んだ野中さんの作品では、これが一番好きかもしれない。
今までの作品は、あまり感情移入ができなかったり、ちょっとわたしには甘すぎる内容だったりとあまりぴんとこないものが多かったんですけれど。これはなんだかしっくりきました。

声高に愛を叫ぶわけでなく、暗くじとっとした情念が描かれているわけでなく…それでいて上質な7つの恋に関する短編が描かれてます。
すべてが幸せなものばかりじゃなく、壊れそうだったりまだ始まっていなかったり、恋愛そのものを描いているわけでもない作品があったりといろいろなんですが。
どの作品も、底の方にゆるやかに流れる静かな空気があって、そこがとても好きでした。
例えるなら…そうだなあ。とても親しい友人と、邪魔の入らない場所で静かに語り合っているような。そんな気分を読んでいる間、ずっと感じてました。

素敵な作品で、一話一話ゆっくり味わいたかったのに次々とがつがつ読んでしまって…惜しいことをしました。
そして案の定、読み終わって二日と経っていないのにそれぞれの話の詳細は忘れていっちゃってるのが悔しいです。ほんとどうなってんだ、この頭は……
読んだ本の内容を詳しく覚えていられる人をしみじみ尊敬しますな。
まあそんなことができる能力持ってたら、そもそもこのブログ書いてないわけですが。ははは。

せめてこの作品の雰囲気は忘れないでいられたらいいなと思います。

このベッドのうえ

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    Excerpt: このベッドのうえ 野中さんの本は、表紙がかわいらしくてずっと気になっていたのですが、読むのはこれが初めてです。タイトルからして甘い恋の話、あるいは気だるくてちょっと官能的な話を想像してたんですが.. Weblog: 本のある生活 racked: 2007-06-17 21:54