「ダーティ・ワーク」 絲山秋子

ダーティ・ワークダーティ・ワーク
絲山 秋子

集英社 2007-04
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内容説明
「俺ずっとマイナスだから、一よりゼロからやり直したい」 もう一度会えたとしても、もう一度別れは来る。この世界の地続きのどこかで繰り広げられる、ささやかな物語、小さな奇跡。『小説すばる』掲載を単行本化。

ずーっと読みたいなと思っていたものの、タイミングが悪かったりなんだりで読めてなかったこの作品。やっと読めました。相変わらず絲山作品は文章も登場人物もすごくかっこいいです。特に女性の描き方が痛烈かっこいい。そうでもない人もいるこたいますが、熊井とか熊井とか熊井とか(強調)。いやン、こんな人いたら同性でも惚れちゃいそうですよ?

全く話がつながらない短編集なんだ、と思いきや、途中から(正確にいうと「before they make me run」から)「お?もしかしてこの人ってあの人の○○?」というように微妙~にリンクし始めて。最終的にはぐるんと一回転して、最初の登場人物のその後につながっていく…という展開がよかったです。もう一度熊井さんに会えたし!って、そればっか言ってますね。

たぶんこの話だけじゃなくて、ほかの物語にも言えることだとは思うんですが、これ読んでてつくづく人の人生ってのはその人の数だけあるんだな~と思いました。そして、一人の視点から見たことってのは本当にただそれだけでしかなくて、本人の視点とか、また第三者の視点から見ると全く別のものだったりするんだなと。いろんな人を描きつつ、話がリンクしていく小説は数あるんですが、今回なぜかそれを強く感じました。

あと短編それぞれのタイトルも全部いーい感じなんですけど、これって全部洋楽のタイトル、もしくは歌詞からピックアップしてるんですかね?最近に限らず、洋楽はあんまり詳しくないもんで……詳しい方いらしたら教えてください<(_ _)>

熊井と遠井の、それから愛すべき登場人物それぞれの、これからを祈りたい気持ちで読み終わりました。

ダーティ・ワーク

この記事へのトラックバック

  • 「ダーティ・ワーク」絲山秋子

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  • 絲山秋子【ダーティ・ワーク】

    Excerpt: ギタリストの「熊井」は常にギターを離さない。それは心底ギターを愛しているから――というより、ギター以外に何もないから。 先行きに不安を感じながら、孤独をかみしめながら、今は会えない「TT」を想い.. Weblog: ぱんどら日記 racked: 2007-08-04 10:51
  • ダーティ・ワーク 絲山秋子

    Excerpt: 装画は長崎訓子。装丁は木村裕治・後藤洋介(木村デザイン事務所)。 「小説すばる」2005年10月号~翌年10月号隔月掲載の短編集。ネタバレあり。 worried about you:ギタリスト.. Weblog: 粋な提案 racked: 2007-08-04 15:57
  • 「ダーティ・ワーク」絲山秋子

    Excerpt: ダーティ・ワーク 絲山 秋子 短編集なのかなって思ったら、読みすすめていくうちに色々つながってくる。登場人物がちょこっとずつリンクしている物語はよく見かけるんだけど、なんとなくクイズを解い.. Weblog: ナナメモ racked: 2007-08-04 20:35
  • 『ダーティ・ワーク』絲山秋子 を読んで

    Excerpt: ダーティ・ワーク (集英社)絲山秋子 内容紹介 今日もどこかで、あの人はきっと生きている 熊井はいつもギターを弾いている。もう何年も会っていないTTのことを考えながら……。 様々に繋がる人間関係、それ.. Weblog: そういうのがいいな、わたしは。(読書日記) racked: 2008-05-08 22:01
  • ダーティ・ワーク 絲山秋子

    Excerpt: ダーティ・ワーク ■やぎっちょ読書感想文 北品川は品川の南にある いやね。自転車で青物横丁から北品川を経て品川へ向かう場面があります。最初の「worried about you」に。お、.. Weblog: "やぎっちょ"のベストブックde幸せ読書!! racked: 2008-05-21 00:31