「ぽろぽろドール」 豊島ミホ
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内容説明
かすみの秘密は、頬を打つと涙をこぼす等身大の男の子の人形。男子にからかわれたり、教師にセクハラされると、彼の頬を打つのだ…。美しくも官能的で、残酷なまでの思いを人形に託した人たちの物語。表題作を含め全6話収録。
久しぶりの豊島さんです。人気があってなかなか借りられなかった……
もったいないからちびちび読んでたところ、返却日ギリギリになってしまいました。あわわ。
豊島さんの作品は、どれも世間で言うマイノリティに属する人々にスポットを当ててます。支流というか……地味目な、普段ならライトの当たらないところでひっそりと息づく彼らにも、彼らなりの物語がある。たとえ他の物語の脇役でしかない(ときどきは脇役ですらない)人にだって、ひとつやふたつの語るべきエピソードがある。そんなことをしみじみと思い出させてくれます。
……ってエラそうに書いてますね。適当に読み飛ばしといてください。
しっかし今回はまたちょっとエロい…というか官能的な作品が多いです。
そのものズバリを描いている「めざめる五月」は鉄板だとしても
その他の作品…表題作「ぽろぽろドール」にしても「サナギのままで」
とかにしても。
小さい頃それなりにお人形遊びはしたものの、10代超えるあたりから
ほとんど意識してなかったです。そうか、大人が遊ぶ人形だってあるよなあ。
しかも彼らは文字通り「ひとがた」をしてるから、寄せられる愛にも並々ならぬものが感じられるというか。おたく、とかいう言葉で表せないものすら感じるんですが。
いろんな形の、人形にそそぐ愛情。ストレス発散の相手だったり、真剣な恋の相手だったり。この子(人形)には、いったいどんな記憶があるんだろう。なんて、今後誰かの家で、もしくは店で出会った人形に問いかけたくなるかもしれません。
以下備忘録を。
ぽろぽろドール…上記参照
手のひらの中のやわらかな星…高校入学して一番仲良くなりたい!と思った子。その子と同じ顔を持つ人形を見つけた。
めざめる五月…あまり話したことのなかった男の子。その子のうちには自分とまったく同じ顔をした人形がいて……どうやら彼は、その人形を本気で好きになっていたようだ。
サナギのままで…昔一緒に遊んだぼっちゃん。戦死したと聴く彼とそっくりな人形を、「私」はつくろうとする。
きみのいない夜には…オークションで競り落とした中古の人形。しかしその後、前の持ち主から人形に対する奇妙な手紙を受け取ることになる。
僕が人形と眠るまで…たいそう美しい顔を持っていた僕は、不運な事故で顔を損傷した。その後世界は今までと違う回り方をするようになったようだった。
