「その向こう側」 野中柊

その向こう側その向こう側
野中 柊

光文社 2007-08
売り上げランキング : 562836

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

内容説明
父親のいない家で育った鈴子。母とその恋人・敏史さんの結婚が決まり、心が騒ぐ。鈴子はいつのまにか、父親のような存在の彼に恋をしていたのだろうか……。初夏から秋へ、季節とともに揺れ動く心を繊細に描いた恋愛小説。

野中さんのおはなしは、どうも細切れに読むよりも、じっくり腰を据えて読んだ方が楽しめる気がします。ゆったり、おっとりした時間や空気が流れるからでしょうか。

このお話は鈴子という大学3年の女の子の夏から秋へとつづく時間を追っています。横浜の洋館で一人暮らしを始めたり、学校で友達と話したり、恋人とデートをしたり。淡々とおだやかな生活を営みつつも、心はそんなには平穏でなく、揺れ動きます。

母の恋人の敏史さんに対して、の気持ちが一番大きいのかな。この人やたらモテてますけどそんなにいい男かあ~~?って思うのはわたしが潔癖すぎるんですかね。でも妻がいても鈴子のお母さんとつきあってて、最終的に略奪愛みたいになったってのにまた新しい恋人ができたっぽいって、お前どんだけふらふらしてんだよ!もうすぐ50になるっつーのにちっとは落ち着けよと。歴史は繰り返すってことなんですかね。
それを黙って受け入れ静かに微笑む母を見て、女のふてぶてしさを見るような気がする鈴子の複雑な気持ちは、なぜかよく理解できました。

部屋の「その向こう側」であったり感情の「その向こう側」、そして関係性の「その向こう側」。タイトルでもあるこのフレーズが随所にちりばめてありました。「その向こう側」、それを知ったときどんな風に人は変化していくんでしょうね。

大学3年生くらいのときのゆる~い生活ぶりや、まだどこか夢見がちなものの考え方なんかがよく描かれてました。すこーしその時の自分を思い出してみたり。あの時期はあとで思うとしあわせだったんだなって。

マカロンのようなお菓子に似た感じのお話でした。

その向こう側

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのトラックバック

  • 「その向こう側」野中柊

    Excerpt: その向こう側 野中 柊 父親のいない家で育った鈴子は、母の長年の恋人だった敏史さんから母と結婚することにしたと告げられた。そんな時見かけた横浜の古い洋館。「こんなところに住みたい」という鈴.. Weblog: ナナメモ racked: 2007-10-29 10:32
  • その向こう側 野中柊

    Excerpt: 装画は大谷有紀。装丁は名久井直子。初出「本が好き!」 主人公で語り手の笹川鈴子は大学三年生。シングルマザーの母と長年の恋人・高田敏史さんとの結婚が決まる。好きな二人。幸せでいてほしい。だけど、心.. Weblog: 粋な提案 racked: 2007-10-31 00:22