「青色讃歌」 丹下健太
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内容説明
【文藝賞(第44回)】日の出はまだで、すべてが青色に包まれていた・・・。同棲する彼女の収入で暮らす28歳・高橋の「仕事探し」と「猫探し」の日々を描く、とびきりの青春小説。
なんかこの手の話最近多いなぁ……
彼女の家と収入に寄生して、でもヒモというわけではなく適当にアルバイトしつつぼんやりと暮らす30前後の男って。「グレート生活アドベンチャー」でもこんなんだったし。って2作しか該当してないのに「多い」とかいうわたし。風呂敷広げ過ぎ!と時々友達につっこまれます。はは。
自分はこんなんできないな。と思うんですが、こういう生活してる同年代の気持ちもわからないではないです。バブルのころは子供で、受験が近づくあたりにそれが破たんし。高校も大学も公立の倍率が急上昇して、あげく就職時は超氷河期っていうね…辛酸をなめてきたぶん、どっか投げやりというか諦念の境地にいるんですな。それはこの主人公にも言えることで。
先のことを考えてないわけじゃなく、考えたくても直視したくない。そんな感じ?
そんな男の日常がつづられてます。彼女はいるけどラブ度はかなり下がってて、仕事探しもうまくいっておらず、飼ってた猫は行方不明……ビラを貼ったり街を自転車で回って探す日々。
かなり淡々と物語は進みます。一応最後に仕事探しも猫さがしも一応の決着をみるんですが、それらも偶然やなんかの自分の力じゃないもので解決するっつうね。
内容紹介のように、一応「青春小説」ではあるけれど「とびきり」かどうかはわかりません。文藝賞の選考委員は「読ませる、笑わせる、唸らせる」とか「全編に漂う乾いたユーモア」がどうこう言ってるみたいですが、……ああユーモア、あったあった!と言われてはじめて気づくわたし。うーん、最近頭がよく働いてないのか?よく寝ます!(←解決策?)