「1995年のスモーク・オン・ザ・ウォーター」 五十嵐貴久

1995年のスモーク・オン・ザ・ウォーター1995年のスモーク・オン・ザ・ウォーター
五十嵐 貴久

双葉社 2007-10
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内容説明
私、井口美恵子44歳・主婦。ダンナと会話はないし、ムスコは何考えてるかわからない。何とかしなくちゃと思ってたある日、幼なじみに誘われてバンドをやることになって…。たっぷり笑えてじんわり泣ける家族小説。

五十嵐さんの「○○○5年のナントカ」シリーズ(なのか?)の3作目。
珍しく女の人、しかも中年女性が主人公です。
発売前からこの本気になってたんですよね、実は。バンドでロックで女性っていいよ!と思って。映画では「リンダリンダリンダ」とかあったけど、この手の話で女の人がメインってあまりない(気がする)ので。
とりあえず買うか…!?と一旦アマゾンで購入ボタンをクリックしかけるも、未曾有の金欠突入中なので断念し、図書館から届くのを今か今かと待っておりました。。

と、長い前置きでしたが。そんなこんながあって手にした作品です。
発売からだいぶ経ってるので、ほかのブログで感想が書いてあるのを我慢できずにちょっと読んでたんですよ。それらでも言われてましたが、やはり導入部分が長いかと。
ただこれはしょうがないところもあるのかなぁ…と思いますが。やっぱり学生の頃とは違って、バンドやろう!じゃメンバー募集すっか!そんで楽器どうするよ!?とぽんぽーんとはいかないわけです。今でこそ音楽教室でドラムやギターを習う女の人はいますが、12年前じゃあねえ……だからその必然性っていうか、やるしかないようなところまでもっていくには、やっぱりそれなりのページ数が必要だったんでしょう。

そして集まった4人の女性の奮闘が始まるわけですが。
楽器をほとんど触ったこともない人たちが、ディープ・パープルの例の曲を弾けるようになるにはそりゃあ大変な努力が必要なわけで。わたしは3年ばかしギターを習ってましたが、それでもこの曲弾くには相当がんばらないとならない……つうか現時点ではもう不可能?初心者っぷりは登場人物たちとそんなに変わらないので、その辛さが我がことのように共感できました。
主人公はギターだけじゃなくてボーカルもだしな……無理!マジで。よくやったよホントに君らは。

で、ラストはこういう系のお話のお約束通り、ステージに出て演奏することになるわけです。そこで主人公がハプニングのあとMC(?)をするわけですが、このシーンたぶんこの作品の中でも一番の決めどころだと思うんですが……正直子供からしたら、ギター弾いて歌うよりも何倍も恥ずかしいんではないかと。わたしならあれだな、吹き矢で急所を狙うとか、秘孔を突いてでも黙らせたい気持ちで一杯です。てな感情に苛まれて、十分に感動できなかったのが残念だった……

話を変えます。
この物語は基本バンドと、少しバイトの話を織り交ぜつつ進むんですが、そんな話の傍ら、主人公の家族の話などが語られます。
そしてこの話の影のヒーローはたぶんこの旦那さんかと。ラストあたりのシーン超かっこいい!それまでが存在薄かったから余計に?ほんと、輝いてました。
ただやはりこれは上記内容説明で語られるような「家族小説」というよりも「友情小説」なんではないかと思います。んで、44さいくらいになっても、こんな友情を築けるんであったら加齢もなかなかいいもんじゃん。と思えるかと。少なくともわたしはそう思った。

最後の最後で、主人公の年齢がうちの母親と同じことに気づいてみたり。
そっかーそれはちょっとすごいかもなーとそこで初めて自分の身に置き換えてみたりしました。ま、でもこの人たちはほんとかっこいーんで。きっとこの現代でもどこかで元気にやってるんだろうな、と思います。

うお、思いのほか長くなった……最後に。五十嵐さんの作品は結構映像化されるのが多いので、これもそうなるかもしれませんが、もしするなら女優さんたちは楽器未経験者で選んだほうがリアリティがでていいと思います!

1995年のスモーク・オン・ザ・ウォーター

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