「カレンダーボーイ」 小路幸也

カレンダーボーイカレンダーボーイ
小路 幸也

ポプラ社 2007-11
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内容説明
1968年の3億円強奪事件をきっかけに、一家心中で亡くなったクラスのアイドル・里美ちゃん。寝て起きたら過去と現代を行き来する「ぼくら」は、彼女を救えるのか? ウェブマガジン『パブリデイ』連載に加筆修正し書籍化。

SFは読みなれない上、詳しく描写されればされるほど頭がショートしそうになるんで、出会っても軽く受け流してます。いや、本当はちゃんと理解できればよりおもしろいだろうとはわかってんですけどね?

そんなわたしが読むことになったこの作品。
意識だけが過去にタイムスリップしてたり、タイム・パラドックス(でいいんだっけ?)が発生したりと思わず拒否りそうな出来事も、結構あっさりと描写されてた上に易しい内容でそれなりにわかりました。

この話、主人公が二人いまして。過去の同級生で、今は大学の教授と事務局長として働いている三都と安斎。この二人がなぜかある日を境に意識が過去に飛んだり現在に戻ってきたりするわけです。小学五年生のときと、現在の四十後半の自分と。
最初はわけがわからないまま、それに慣れていくわけですが、ある日ふと気づくわけです。「じゃあ昔に起こった事件は事前に阻止できるんじゃないか?」と。そこから半年後の事件発生日に向けた入念な準備が開始される……というお話。

過去をいじると現在になんらかの影響が出るだろう、って論理はわかります。彼らもそれがどのレベルの影響力なのかを測るために、放火を阻止してみたりします。けれど死ぬはずの人を助けてしまったら。そんな大きな事実をねじまげたら、何が起こるのか。三都と安斎は何度も話し合いながら、助け合いながら‘その日’を迎えます。

1968年の北海道在住の小学生が、東京の3億円事件に関わろうと思ったらどれだけ大変か。じっくりと詳細に描いてあったので、そこは無理なく読めました。ただ、肝心のイベント日の記述が驚愕するほど少ないのはどういった理由なんですかね?思わず数ページ飛ばしたかと思って読み直しましたよ。ここ大事だと思うんだけどなぁ……

それから、その日以降の三都と安斎について。歴史を変えたことで彼らは大きなものを得て、代わりに大きなものを失います。でも彼らはそれを胸にいだきつつ、新しい日々を、見たことのない未来を生きていくんでしょうね。でも、なんか寂しいような切ないようなラストでした。

他の読書ブログさんのところで「ラストがせつない」ってありましたけど、小路さんの作品って基本切ないですよね。あと超能力とか幽霊が見えるとか、そういう力を持った人が出てくるのが頻繁かなあ。別にいいんですけど、今度そういうのとまるで逆な作品も書いてもらいたいなあと思ったりしました。ハッピーエンドでかつリアルな感じのやつをひとつ!よろしくお願いします。

カレンダーボーイ

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