「先生と僕」 坂木司

先生と僕先生と僕
坂木 司

双葉社 2007-12
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内容説明
都会の猫は、推理好き。そして田舎のネズミは…? あなたのまわりのちょっとした事件、家庭教師の先生とボクが解決します! こわがりな大学生とミステリ大好きの中学生がさまざまな謎に挑むライトミステリ。

なぜかエンジンのかかりが悪く、はじめのほうでひっかかってたんですが、それを超えたらするすると読めました。相変わらずうまい!です。

公園でスカウトされ、家庭教師をすることになった大学生の双葉と、その生徒であり容姿端麗頭脳明晰…でも思考回路にちょっぴり危険なところあり、な隼人のコンビです。ライトミステリという説明のとおり、殺人とか強盗なんかの凶悪犯罪は扱われてはいません。どれも軽犯罪の範疇です。

…しかし軽犯罪、って言葉に安心してはいけません。よく考えたらぞっとするとか、気づきたくない、だけれどそれが真実であることとか……作中で双葉が「見慣れた穏やかな町の中から、僕の知らないもう一つの町が姿を表す」(P35)って思ってるところがありますが、それと同じ感覚をわたしも抱きました。

どこかで犯罪が起きていることはわかってるけど、それが自分の身近であるとはおよそ思っていない、思いたくない気持ちがあるからあえて見ないようにしてるんでしょうか。
どっかのほほんとしてて、できればあたたかな世界だけを目にしたいし、そうでないものを見るととてもストレスを受けてしまうわたしですが、厳しい現実に直面したときでも恐れずに、冷静に、絶望せずにうまく折り合いをつけてかなきゃいけないんだろうな。

ひとがよくて怖がりな双葉はなんだか他人とは思えませんでした。人になめられやすいのも同じだし。東京に20年弱住んでたんですが、人柄を「素朴」とか形容されてましたからね(事実)。都会っぽい感覚って住んでるとか生まれたとか関係ない気が…じゃあなんなんだと言われたらわかりませんが。

あと超どうでもいい話ですが、眉間にしわを寄せてマンガ読んでる隼人の姿に、高校時代のわたしを見ました。それをいつの間にか激写されてて、卒業アルバムにばーんと載ったんだよな…ひっさびさに思いだした。ちなみにそのとき読んでたのは「あさきゆめみし」。光の君に憤りまくってました。あの頃は若かった…(遠い目)

話戻します。
一話一話きれいに完結してるし、これからもどんどん続けていけそうなのに、昨今の坂木さんの例から考えるとここで終わりなんでしょうね。ものたりない…けどそれでいいのかな。シリーズになんかトラウマがあったりするんですかね??
そのものたりない感は、中で紹介されてたミステリを読んで解消することにします。

最後にちらっと備忘録を。

先生と僕 … 本屋のギャル向け雑誌に貼ってある不審なふせんの意味は?
消えた歌声… 火事の出たカラオケ店から1組だけ行方知れずに。
逃げ水のいるプール…区民プールの機器チェックをしてる男が書き留めてる暗号の意味は?
額縁の裏 … ふらりと入ったギャラリーで出会った女性。彼女の目的は?
見えない盗品 … ネットで売買されてるとあるモノ。盗品らしいが監視した結果姿をつかめず…

先生と僕

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