「名前探しの放課後(上)」 辻村深月
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内容説明
「誰が、自殺なんて」「それがきちんと覚えていないんだ…」 不可思議なタイムスリップで3カ月先から戻された依田は、これから起こる「誰か」の自殺を止めるため、同級生と「放課後の名前探し」をはじめる−。青春ミステリ。
13日夜に書いたはずの感想が全消えしてて結構しんどい気分になってるわたしです。なんでなんかな……眠さのあまり自分で消した?
ふぅ。
では気を取り直してもう一度。
辻村さんの最新刊です。つっても出て結構経ってますけど。
図書館で借りて読まず、延長して読まず…結局期限ギリギリになって読んでます。過去作品の記憶を浚えてもおもしろいの多いし、なんでこんなに読みたくならないんだ?と思ってたんですが、それってやっぱりあれですかね。「辻村作品の前篇はなんかしらんがイヤーな展開のものが多い(気がする)」からっすかね。
今回の話は上記内容説明のとおりの作品です。ジャニ系面でかなりの適当くんが、いきなり三か月前にタイムスリップ。持っている鮮明な記憶はただひとつ「同級生がひとり自分で死ぬ」。それを阻止するために、今までの人脈、または全然会話したこともなかった同級生を巻き込んで調べていく、その途中までが描かれてます。
このメンバーの関係性がなかなかいい感じです。みんなで活動してるとことか、遊んでるとことか。いろんなタイプがいるけど、仲がいい…というか信頼しあってる感じ?
この物語は一章ごとに有名作品のタイトルがつけられてるんですが、その中の「エーミールと探偵たち」に近い雰囲気かな?と思いました。あの原作もいいよね。
ただ辻村さんですから、そういう明るく楽しいばかりなわけではもちろんなくてですね。
いじけてこだわってる人とか卑屈な人、独りよがりな性格なんかも出てくるわけです。このへん読んでてイラっときます。なんでお前らはそうなんだよ!みたいな。
自分自身にもそういう部分はもちろんあるんですが、度を超してる気がするんですよね。他作家さんの本でここまでイラつくことはそうないんだけどなあ。
ああ、でもネット上でわたしの好きな漫画の(←何かは聞くな)二次創作を発表してる人もそういうとこあるなあ。ヒロインをやたら卑屈に書くんですよね…実際はもっと素直で明るい女の子なのに。
あれは作家の気質によるものなのかなあ。
だとしたら辻村さんもあのネットの人も、自分に自信がないのかもしれないなあ。
こんないい作品書けるんだから、大丈夫!って誰か言ってやって言ってやって?
ああ、あとたぶんこのイラつきの原因は自分のどす黒い高校時代を思い出させられてるからかもしんない。同級生に変な男がいまして、Mっつうんですがこいつがあたしの友達のゆうちゃんをいじめやがってたんですよね。高校生の男子が。そしてマジでバカにしてやってそうだったんで、あまりの憤りに「今度なんかやったら覚えてろ!文句あんならかかってこい」的なことをあたしがやつに言って以来、少しおさまったんでした。…って何やってんだあたしゃ。
これ読まなきゃ思い出さなかったそれらを思い出してしまって軽く凹みました。
わーい、あたしオットコマエー♪…白々しく響いてより哀しいな。
さて、どうでもいいはなしはこのくらいにして。下巻に突入したいと思います。