「リセット」 垣谷美雨
![]() | リセット 垣谷 美雨 双葉社 2008-02 売り上げランキング : 40950 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
内容説明
ぼんやりした不安と不満を抱え、それでも平凡に暮らしていた3人が、突然、高校時代にタイムスリップ。「未来の思い出」がリプレイされる毎日は、彼女たちの意識を少しずつ変えていく。そしていま、再び新しい人生へ!
「高校時代からやりなおせるとしたら、やりなおしますか?」って問いにYESって答える人の割合ってどんくらいなんですかね。ちなみにわたしはYES…と思ったけど、もう一度受験することや就職活動考えるとウンザリするので、まあこのまますすむかなあ。やり直すなら高校じゃなくて、中学からなら!(←何かある模様)
この話は、まあそんな「やりなおしたいものよね」てな話をなんとなくしてた3人が何の前触れもなく、いきなり過去に飛ばされて、‘本当にやりたかったこと’をやるためにまい進していくお話です。
って書くと前向きで楽しげに見えますが、実はそうでもなく……やりたいことやってるはずだったのに、おっかしいなまたやりなおせるチャンスをいまかいまかと待ち望んでるよ?ってなって、本当になんとかしなくちゃいけないのはなんなのか、について考えるお話、なのかなあ。
3人いるから、3人とも公平に描かれてるってわけでもないような。知子と薫に重点が置かれてた気がするんですが、気のせいですか?晴美が添え物っぽかった。
あと、ページの端からしたたりおちるほど‘男への憎悪’が描かれててすさまじかったです。作者に一体何が。いえ、いちいち納得できるところも多いんですけどね。なんかものすごく色鮮やかな感じで軽くヒくところもあったんで…もう結婚してもしなくても、女ってだけで辛えのか…とブルーになりそうなくらい。
そんなこんなだったのに、ラストは割と前向きで、読後感もよい感じでよかったです。
このままダークだったらしばらくひきずっちゃいそうだったから。
このお話読むまで意識してませんでしたが、意識このままで過去にワープ!とかって結構キツいですよね。高校生でもアレなのに、小中学生になんかなったらもう。「なんかおばさんくさい」とかって友だちできなかったり、哀しいな…とか考えたり。ってそんなことあるはずがないんですけれども!夢見がちスイッチの押されてしまう1冊です。