「体育座りで、空を見上げて」 椰月美智子
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内容説明
私は、自分をたっぷりと持て余していた。理不尽に怒り、親に当たり散らし、自分で自分をコントロールできない−。5分だって同じ気持ちでいられなかった、あの頃。読者を瞬時に思春期へと引き戻す、おかしくも美しい感動作。
引き戻されましたねえほんと。読み始めてすぐ、ぐわーっと気持ちはあの時代にいっちゃってました。
だってわたしもほんと、中学に行くの怖かったもん。呼び出しと呼び出しと呼び出しで構成されてると思ってました。なのでページを繰るごとに「あるある!!!」と怒号がでるような(心の中で)そんなイキオイでした。
水森サトリさんとかも、中学生を描くのはうまいと思うんです。んで、その中で椰月さんはどの部分がうまいかっていうと、…ささいなところのリアリティ?「ああ、中学生ってそんなだったよね」とか大人目線で冷静に見てらんないというか……「そうだ!!たしかにそうだった!忘れてたけど!!ぎゃー」って感じで、都合よく忘れていたあのころのバカさとかダメさとか見てて恥ずかしいあの感じが余すところなく、逃げられないくらいさらけて並べて見せてくれてるというか。
必然的に自分のあの頃ってのを思い出さされちゃいますね。
昨夜読みながら悶絶しました。いやあ苦しかった……。
わたしはここまで親に当たり散らしたりはしてないですが、やっぱり女の子でも反抗期ってこんくらいやっても普通なんだなあと読んでて勉強になりました。男子はすごそうだけどな……気が早いですが、うちの甥っこや姪っこもあと14年くらいたったら……と思ってちょっとビビったりもしました。
椰月さんはわたしよりちょっと年上なんで、流行ってる歌手とかモノは自分のそれとややずれるんですが、中学生ってやつの本質は、時代が変われども実はそんなに変わんないもんなのかもなと、そんな風に感じたりも。
普通の女の子の、普通の中学時代を描いた物語がこんなにおもしろいとは思いませんでした。
やーよかったです。