「チェーン・ポイズン」 本多孝好

チェーン・ポイズンチェーン・ポイズン
本多 孝好

講談社 2008-10-30
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内容紹介
●講談社創業100周年記念出版 「書き下ろし100冊」第1弾!

あと1年。死ぬ日を待ち続ける。
それだけが私の希望――。

かりそめに生きることは、もうできない。選んだのは「死」。
不思議な自殺の連鎖を調べる記者。そこに至るただひとつの繋がり。
「生」の意味を現代に投げかける、文句なしの最高傑作!


誰にも求められず、愛されず、歯車以下の会社での日々。
簡単に想像できる定年までの生活は、絶望的な未来そのものだった。
死への憧れを募らせる孤独な女性にかけられた、
謎の人物からのささやき。
「本当に死ぬ気なら、1年待ちませんか?
1年頑張ったご褒美を差し上げます」
それは決して悪い取り引きではないように思われた――。

●新境地を開いた驚愕のミステリー

…だ、そうです。ミステリだと知らずに読み始めたので、何これ怖い話?と途中ビビってたんですが杞憂でした。読後感はさわやかです。ちょっと苦味もあるけれど。

上のあらすじのように物語は進みます。
1年後死ぬことを目標に、それまでの期間をひまつぶしに生きる女性の視点と、自死を遂げた三人に何か共通点があるのではないかと調査するとある雑誌記者の視点と。
死ぬこと前提に、今までの自分がどだいしないであろうことをいろいろやって、そのうち…となる展開は読めましたがラストのどんでん返しには驚かされました。注意深く読んでいればところどころにヒントがあったのかもですが…作者に一本とられましたね~。そんなオチがきたかあ。

時系列に進む女性の物語とは逆に、その死んだ人の過去をたどる、時間を遡っていく記者の話も興味深かったです。この人が思ったよりキレ者でしたね。どことなく樋口有介さんのあの探偵を彷彿とさせる人物でした。あいつですよあいつ。えーとなんだっけ名前、そう柚木!やつほど気障ったらしくはないんですけどね。

死と生とを、というか、生きるということを問いかける作品でした。
つい考えちゃいましたもん。
もしあと1年後に、ものすごく楽に死ねる薬を差し上げますって言われたらどうするかなあって。
1年後に、すぐ使うことはなかったとしても、それをお守りみたいに持っているような気がする。
これがあるから、いつでも死ねるんだから大丈夫。そう言い聞かせながら生きる瞬間のために。

なんか真面目に語りましたが、思っていたよりずっと読み応えあっておもしろいお話でした。
読む前にこのまま図書館に返そうかと思ってたんですけど、読んでよかったです。

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