「森に眠る魚」 角田光代

森に眠る魚森に眠る魚
角田 光代

双葉社 2008-12
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内容説明
東京の文教地区の町で出会った5人の母親。育児を通してしだいに心を許しあうが、いつしかその関係性は変容していき…。母親たちの深い孤独と痛みを凄みある筆致であぶりだした母子小説。

く・ろ・かったです。噂にたがわず。
なんだか最近黒い話ばかり読んでいるような気が…もともとはもっとぱっとした、ハッピーエンドが好きなのに!
でもこのお話、非常におもしろくてですね。夜を徹して読んでました。

上記内容説明がネタばれせず、うまく概観していると思うんですが…
5人の母親たちの関係の変容を、3(?)年間にわたってどうなっていったかを、じっくりと描いてあります。
最初はね、しあわせな雰囲気なんですよ。
不安いっぱいのとある幼稚園の入学前後に知り合った母親たちは、それぞれの教育観が似てることからちょっとずつ仲良くなっていって。いろんなことして遊んだり、普段は胸の内に秘めていることを語ったり。
登場人物の誰かが、大人になってこんな関係が築けるとは思えなかった、と言っているように、学生時代に戻ったようなそんな楽しい時間が流れます。

でもね。
学生時代もそうだったように、光があればその裏にはまた影があるわけで。

後半はぶっちゃけ、その影部分がこれでもか!という迫力でせまってきます。夫との関係、家族とのしがらみ、そして周りの友達とのつながり、どれもが彼女らを追い込んでいきます。いや一番追い込んでるのは自分が、なのかなあ。前半が明るい分、正直読んでてこわかったです。でもおもしろかった…なんなんでしょうこの気持ち。

母親って、その立場になったことがないのでわからないんですが、子どもがいる分独身者よりも孤独を感じないと思っていたんです。でもその逆で、子どもがいるからこそ深い孤独を感じることもある。そういうもんなのですかねえ…
たとえばひとりなら気楽に外に出かけられるけど、小さな子がいると外出もままならないから家でひとり、とか、そういう感じで?本来比べるべきものではないのかもしれないですが、いろいろと考えさせられました。

最後も希望を感じるところあり、不安なまま終わるところあり。
続編が描かれないのがわかっているからこそ、余計に心に残ってしまう作品だと思います。
今子育て中の人は…読まない方がいいかなあ。感想聞いてみたい気もするけど。あ、わたしみたいに独身女子でも十分楽しめます。男性もぜひ読んでみて、こんな母もいるってなことを知ってください。

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