「ゆずゆずり」 東直子
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内容説明
「仮の家」に同居人と暮らす文筆業のシワス。ニュータウンでの日常の狭間で「思考の冒険」を楽しむうち、奇妙なことが次々と。ところが、引越しが決まり…。
あとがきにもあるように、最後まで小説なんだかエッセイなんだか、判別が難しい本でした。
事実をもとにしたフィクションらしいですが、妙にリアルな感じがするんですよね。妄想まじりの作風から思いつく類似作品としては、穂村さんの「にょっ記」なんですが、あれよりは普通…かなあ。
現代版「家守綺譚」のような風情も感じられるような。不思議で、かつ奇妙に惹きつけられるお話です。
同居人3人と暮らすシワスさんの日常が淡々とつづられてゆきます。
どれか心に残ったエピソードを抜き書きしようとぱらぱら本書をめくったんですが、なんだかどれもがいい話でこれ!と選べませんでした。
なんてことないけど、わたしの心のストライクを突いた作品だったようです。
図書館で借りて読んだわけですが、これは買って手元に置いて、たまにページを繰りたいような気がします。
続編が出てほしい気もします。
シワスさんをはじめとする登場人物たちの今後が気になるので…
でもきっと、今みたいにゆるりらと生活していくんだろうな、これからも。
よくわからないけど、読むとなんだかいい気持ちになれる作品です。おすすめ。
…内容をきちんと紹介できてないせいで、うまくこの作品のよさが伝わってないのが悔しいです。精進せねば。