「WILL」 本多孝好

WILLWILL

集英社 2009-10-05
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内容説明
人の想いは死んでなお、愛する人によびかける…。18歳の時に両親を亡くし、家業の葬儀屋を継いだ森野。関わった「死者」たちと、遺された人々が奏でる不思議な愛の物語。


さて続編です。今度は「MOMENT」の主人公(名前忘れた)の幼なじみの森野が主人公。
はっきり言って前作よりこっちのが断然好みです!なんでだろう。話の雰囲気が比較的やわらかいから?それとも森野のキャラが好きだからかな。

ま、今回も重いこた重いんですけどね。
同級生の父親の葬式を執り行ったはいいものの、その幽霊が出た!と騒ぎになる話だの、一度終えた葬式を、愛人がもう一度やり直したい!と談判に来る話だの、10年以上前に死んだはずのおじいさんが生まれ変わって最近うちに遊びに来るんですと相談される話だの。
よくもまあ森野葬儀屋にはいろいろと持ち込まれるもんだなと。そしてその話をちゃんと聞いて考えて、解決してあげる森野もすごい。前作ではとてもそんなキャラだと思わなかったよ!もっとこう退廃的でなげやりで、威圧感があって口が悪くて少々のことでは動じないタイプだと思っていた(注:女性です)。
まあ口が悪くて動じないのは同じか。でもずっといいやつで、そしてかわいいです。森野がこんなにかわいいとはね…気づいたあいつは相当やるね。

そして今回もまた、こまごまと笑えます。一番笑ったのは3話目かな。葬儀屋従業員の桑田の友達が輝いてました……もともと桑田も輝いてんですけど、特にモヒカンくんが。あのキレっぷりは伝説になると思う。あの場にはいたくないけど、そばの団地の窓から覗いていたかった~~ああでも笑っちゃうからダメかな。


このお話の軸は2つで、その持ち込まれる問題を解決するのがひとつと、あともうひとつ森野自身の成長…というか、過去との決別?固まってた自分を壊して先へ進む力を得る過程とがあったかと思うんですけど、そのふたつをうまく絡めて描いてあるなあと思いました。
傍目で見てたらのろのろとした歩みだったと思いますが。…森野にとってはこれだけの時間が必要だったんですたぶん。これより短くはできなかったし、逆に長くしすぎてもしんどくなっただろうなあ。
それを支えたのは葬儀屋の面々であり、お客さんであり、例のあの人であり、…そして亡くなったご両親なんでしょう。

最後のあたりでは泣きそうになりました。

生きてると苦しいこととか哀しいことはしんどくなるくらいたくさんあって、本当にこれ以上もう一歩も動けないと思って、うずくまってしまう時もあるけれど。そこにはいつも心配してくれる人がいて、手を差し伸べてくれている人がいて。どんなに絶望しても、希望を見出せる日はいつか来る。きっと来る。

っていうメッセージを、ひさびさ直球でくらった気がします。
読み終わった後、よしまた明日から顔を上げて生きてみるか!と思えるような一冊かと。

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