「和菓子のアン」 坂木司
![]() | 和菓子のアン 坂木 司 光文社 2010-04-20 売り上げランキング : 19879 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
内容(「BOOK」データベースより)
やりたいことがわからず、進路を決めないまま高校を卒業した梅本杏子は、「このままじゃニートだ!」と一念発起。デパ地下の和菓子屋で働きはじめた。プロフェッショナルだけど個性的な同僚と、歴史と遊び心に満ちた和菓子に囲まれ、お客さんの謎めいた言動に振り回される、忙しくも心温まる日々。あなたも、しぶ~い日本茶と一緒にいかがですか。
どうもこんにちは。両親のと自分の3人分のカードを使い本を借りていたら、借りた本で部屋がえらいことになり(20冊超とか…)しかもそんだけの数読みこなせるわけもなく。散々待って借りたのに読めずに泣く泣く返したりと、わけのわからん生活を送ってます。自分でもいろいろ買ってるのに全然読めてないし……マンガくらいですか、さくさく消化できてるの。
今後は自らのキャパシティを考慮し、読める限りの、また部屋に収納できる分だけの本を手にしていきたいと思います。
さて。そんなわけで(←どんなわけだ)今回のこの作品。
……実は読んだのもう2週間ほど前で、記憶がおぼろになっております。和菓子にまつわる日常の謎だったよね、たしか。
上記内容説明から無理くり思い出してみると……えーと、ややぽっちゃりめの体型の女の子がいましたと。高校卒業する段階になっても進路決まらず。大学になんとなく入るのは学費を出してくれる親に申し訳ないし、だからといって何したらいいのかわからん。じゃあとりあえず和菓子屋さんでバイトしよう!と思って始めるわけですよ。個性的だけど優しいひとたちに囲まれて日々元気に働いてるところに、ときどき不思議なことが発生する、と。。
会社のおつかいものを買いに来た、とある社員の女性。先週と今週とで、選んだ菓子は一緒なのに個数は違う。なぜ?
常連の品のいいおばあさん。普段のとおり来店し、品物を選んでいるときに店長がかけた謎の一言の意味は?
お正月(だっけ?)に売るおみくじ入りの菓子。しかしとあるお客さんの手元のそれには、おみくじじゃなく――。
デパ地下のケーキ屋さんに勤める人が多量に持ち帰るケーキ。聞けば「兄なんです」と言うが。
とか、そういう話だったような。間違ってたらすみません。
業界用語とか、和菓子の名前って実はベタな発想の展開でつけられてたりもするんだとか、ミステリじゃない部分も読んでて結構楽しめました。よそのお仕事探検てな感じで。
主人公の子もとてもいい子です。聡明で、真面目で、冷静で。若いけどとてもしっかりしてる感じ。なんていうか……年上の人に可愛がられるタイプ?そんななのに、彼女はすごく自分の体型を気にしていて、いつもどこか自信がないというか、やや卑屈な雰囲気で、そこがもどかしかったです。なら痩せればいいだろ!と簡単に言うひともいるかもしれませんが、いやいやどうして。痩せるって大変なんですよ。本来の意味でのダイエットって、生活の修正ですからねえ。長年積み上げてきたものを壊して、自分を律して、適正な体重に減らしてそれを「ずっと」維持していくってなかなかどうして。それに体質の問題もありますし。あまり描かれてませんでしたが、これだけ気にしてるってことは今までいろいろ試してきてるはずなんです。そういうひとに簡単に「痩せろ」というのは酷ではないかと……って熱く語りすぎですね。すみません。
最後まで結局、その負い目から抜けられない感じだったのが残念だったかな……どこかでなんらかのかたちで救われると(勝手に)思いこんでいたので。続編を期待したいですが、最初の作品以来続きもの書いていらっしゃらないので無理でしょうか。つくづく残念です。
でも面白かったです。普段は思い切り洋菓子派ですが、読んだあとは3回に1回くらいは和菓子にしてもいいかな、と思えるようになりましたから。でもおいしい和菓子屋さんって少ないんですよね……どこか開拓しなければっ。